付録全体図 ── 4ステップ・記録・2つの検査
本書の機構は、章を追って一つずつ積み上げてあります。積み上がったものを一度に見ると、どこに何が付いているかが分かりやすくなります。ここに2枚置きます。
- 全体:4ステップのサイクルと、2つの検査がどこに掛かるか。
- 記録の流れ:ADRとISSUEがどう生まれて終わるか、制約節と索引がどこで効くか。
どちらも本文の索引です。図に収まるのは骨格だけで、歯止めや但し書きは本文の側にあります。
全体 ── 4ステップと、2つの検査
読み方
- 同じ手順を、要件定義でも外部設計でも回します。START と GOAL が入れ替わるだけで、4ステップは変わりません。変わるのは【広げる】のレンズだけです(外部設計では、機能成立性/トランザクション境界/機能例外に置き換わります)。
- 1周では終わりません。サイクルは小さい単位から回し始め、小さく回したものを、より広い単位で見直していきます。矢印が縦一列に見えますが、実際には同じ列を何周もします。単位を広げても、決めたことを引き継ぐ作業は増えません。決めたことはADRに残っているので、広い単位で書く人は、自分の成果物に当たるADRを引けば足ります(3章)。
- 2つの検査は、掛かる場所も、回るきっかけも違います。【広げる】は時間で回ります(節目の巡回)。【確かめる】はきっかけで回ります(決定が増えたとき・変更が来たとき・成果物が書かれた・直されたとき)。2つをひとまとめに「レビュー」と呼ばず、はっきり分けて扱います。
- 立ち止まる機会にあたるのは、【広げる】と【確かめる】の2つです。
- 変更要求は、【たたく】ではなく【深める】から入ります。決定が先、反映は後です。影響分析のときは、この図の検査を道具として呼び出します。新しい検査は作りません。
- どの検査も、AIが出すのは気づきと指摘までです。合否は判定しません。採るかどうか、どこに記録するかは人が決めます。
記録の流れ ── ADR・ISSUEと、制約節・索引
読み方
- 決めたことはADRに、決めるべき論点と反映する作業はISSUEに残します。ADRは変更不可、ISSUEは可変です。未決も、変更要求も、反映漏れも、すべてこの2つで受けます。
- ISSUEはADRの前後を繋ぎます。未決型ISSUE →(決定)→ ADR →(反映)→ 反映型ISSUE。左は「決めるべきこと」の一覧、右は「やるべきこと」の一覧であり、混ぜません。
- 制約節が、検査の相手を絞ります。膨大なADRと膨大な成果物を総当たりしないための、中心になる仕掛けです。だから、制約節が空のADRは、記録としては残っても検査には使えません。【確かめる】の精度の上限も、検査側ではなく制約節の書き方で決まります。
- 書き手が引くのは、自分の成果物が含まれる影響範囲と「横断」のADRだけです。どの影響範囲に含まれるかは、成果物どうしの辿りで決まります。ADRが増えたら、「影響範囲 → 当たるADR」の索引を機械で作ってもかまいません(プラクティス)。
- ADR-IDの注記は、付けるところを絞ってかまいません。未決の印は漏らせません。