システムアーキテクチャを知る
intra-martの環境を準備するにあたって、 最初にシステムアーキテクチャを理解しておくことが重要です。
システムアーキテクチャを把握することで、 システム全体の構造を正しく捉え、 各層がどのように連携し、 それぞれがどの役割を担っているのかを理解できます。 これにより、 システムの構成や動作の仕組みが明確になり、 機能の適切な活用や、 トラブル発生時の影響範囲の特定、 原因の切り分けといった対応がしやすくなります。
さらに、 システムアーキテクチャへの理解は、 カスタマイズやチューニング、 運用設計を検討する際にも大きな判断材料になります。 各機能が「どの層で動作しているのか」 「どう組み合わせればより効果的か」を把握することで、 構成の最適化や将来的な拡張に向けた設計を効率的に進めることができます。
intra-martのアーキテクチャとは?
intra-martでは、 安定した運用と拡張性の高いシステム構築を実現するために「3層アーキテクチャ」を採用しています。 このアーキテクチャでは、 システムをプレゼンテーション層、 アプリケーション層、 データ層の3つの層に分離しています。
このように機能を分離することで、 システム全体の保守性を高めるとともに、 各層を独立して拡張・変更しやすくなり、 柔軟なシステム構成やクラウド対応も可能になります。 intra-martではこの構成をベースに、 さまざまなシステム規模や要件に対応する運用が実現できます。
3つの層のそれぞれの役割とサーバの種類について確認してみましょう。
プレゼンテーション層
ユーザが直接操作する部分で、 Webブラウザを通してintra-martの各種画面にアクセスします。 HTMLやJavaScriptによって構成され、 ユーザインタフェースの表示や、 操作内容の入力・送信などを行います。
Webサーバ
クライアントから送信されたリクエストの内容を判別し、 それが静的コンテンツなのか、 動的コンテンツなのかを振り分けます。
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静的コンテンツ (例 : HTML、 画像、 JavaScriptファイルなど)
Webサーバがそのまま処理を行い、 直接クライアントにレスポンスを返します。 -
動的コンテンツ (例 : 画面の表示、 フォーム送信結果の処理など)
リクエストはアプリケーションサーバ上のintra-mart Accel Platformに転送され、 必要な処理が実行された後、 結果がクライアントに返されます。
アプリケーション層
ユーザの操作に応じた処理を実行する部分で、 intra-mart Accel Platformを含むサーバアプリケーションがここに含まれます。 画面の制御、 ビジネスロジックの実行、 外部システムとの連携処理など、 システムの中核を担います。
アプリケーションサーバ (APサーバ)
クライアントから送信されたリクエストを受け取り、 業務ロジックの実行や画面の生成などの処理を行います。
intra-mart Accel Platformは、 APサーバ上にWeb Application Archive (WAR) ファイルとして配置され、 サーバの起動時にこのファイルが読み込まれることで、 システムの処理が開始されます。 WARファイルには、 intra-mart Accel Platformの動作に必要なファイルが格納されています。
WARファイルはintra-mart Accel Platformの最小構成単位であるため、 ライセンスはWARファイル単位でカウントされます。 詳細は「ライセンスの種類と選び方」を参照してください。
データ層
intra-mart Accel Platformの各種マスタデータや設定情報などを管理するデータベースが含まれます。 アプリケーション層からの要求に応じて、 データの読み書きや更新を行います。
データベースサーバ (DBサーバ)
マスタデータやトランザクションデータなどの情報を保存・管理するために、 リレーショナルデータベース (RDB) を利用します。 RDBでは表 (テーブル) 形式でデータを整理して管理できるため、 業務データの一元管理や検索・集計などを効率的に行うことが可能です。
ストレージ
添付ファイルや各種ドキュメントなどの電子ファイルを保存するために利用します。 保存先のパスは設定により任意の場所を指定できますが、 複数のWeb/APサーバで構成する場合、 すべてのサーバから同一の保存領域にアクセスできるストレージサーバを用意する必要があります。