ひな型を使ってアプリケーションを作成してみたい

この記事では、ひな型からアプリケーションを作成する方法について紹介します。
Accel Studioの「ベーステンプレート」を利用すると、汎用的な画面や処理を自動で生成します。生成された画面や処理をひな型として利用し、一部を編集するだけで簡単にアプリケーションを作成できます。シンプルな機能を持つアプリケーションを、シンプルな操作で素早く作成するために、ベーステンプレートを活用した開発の流れについて学んでいきましょう。

汎用的な機能を持つベーステンプレート

Accel Studioには、サンプルアプリケーション、ベーステンプレート、オプションテンプレートといったテンプレート種別があります。ここでは、シンプルな機能を備えたベーステンプレートについて紹介します。

ベーステンプレートは、シンプルな機能を持つ汎用性の高いアプリケーションを作成できるテンプレート種別です。基本的なデータ操作やシンプルなワークフローなど、初めてローコード開発を行う方でも使いやすいテンプレートを提供しています。

この記事では、アプリケーションのひな型となる「マスタメンテナンス」テンプレートや「シンプルなワークフロー」テンプレートを使用して、アプリケーションを開発する流れについて説明します。

ベーステンプレートを利用した開発の流れ

ここからは、実際にベーステンプレートを使って、ひな型を使ったアプリケーションの作成方法について解説していきます。

Step. 1 テンプレートの種類を選択する

ベーステンプレートから使用するテンプレートを選択します。テンプレートを選択すると、データベースのテーブル・画面・処理が自動で生成されます。ここでは、ひな型として使用できる2つのテンプレートについて紹介します。

それぞれのテンプレートの概要について見ていきましょう。

「マスタメンテナンス」テンプレート

「マスタメンテナンス」テンプレートを使用すると、任意のマスタ情報の登録・編集・参照などを行うアプリケーションを作成できます。

たとえば、顧客情報のような独自のデータも、必要なデータを設定するだけで簡単に登録・更新・参照画面を作成できます。ユーザデータと操作を連携させたアプリケーションを作成したいときに便利です。

「マスタメンテナンス」テンプレートでは、最初にデータベースの設定を行います。データベースの設定方法は、以下の3種類の方法があります。

  • 新しくエンティティを作成する場合
  • 既存のエンティティを利用する場合
  • Excelファイルを利用する場合

新しくエンティティを作成する場合、エンティティ情報をもとにデータベースのテーブルが作成され、IM-Repositoryの「データ定義」機能で管理されます。

「シンプルなワークフロー」テンプレート

「シンプルなワークフロー」テンプレートを使用すると、申請・承認といったワークフローを含んだアプリケーションを作成できます。

たとえば、ユーザが申請画面から提出したデータを、他のユーザが承認するというワークフローを取り入れたアプリケーションを作成したいときに便利です。

「シンプルなワークフロー」テンプレートでは、ワークフローを作成するための情報を入力します。ワークフローの設定方法は、以下の2種類の方法があります。

  • 新しくワークフローを作成する場合
  • 既存のワークフローをコピーして作成する場合

新しくワークフローを作成する場合、申請・承認のみを行う最低限の承認ルートが自動で生成されます。より複雑な承認ルートが必要な場合は、事前にIM-Workflowでワークフローを作成し、それを既存のワークフローとしてコピーします。

Step. 2 画面や処理を編集する

テンプレートから自動で生成された画面や処理はそのまま使用することができますが、実際の業務に合わせて、それらの一部を編集することも可能です。ここでは、各テンプレートから自動で生成された画面や処理のカスタマイズについて紹介します。

「マスタメンテナンス」テンプレートを利用したカスタマイズ例

「マスタメンテナンス」テンプレートを使って、ToDoアプリケーションを作成する場合を想定してみましょう。ToDoアプリケーションの仕様に合わせて、以下のように処理→画面の順番で編集できます。

カスタマイズ対象使用するツールカスタマイズ例
登録処理IM-LogicDesigner  ID・登録者・登録日などの基本情報を自動で設定するように、ロジックフローの設定を修正する。
更新処理IM-LogicDesigner更新時に登録者と登録日を更新しないように、ロジックフローの設定を修正する。
一覧用のデータ取得処理IM-LogicDesignerIM-LogicDesignerとIM-Repositoryのデータリポジトリ機能を利用して作成された検索処理を確認する。
操作画面(登録・更新・    
参照などの共通画面)  
IM-BloomMaker登録・更新処理におけるロジックフローの修正に合わせて、画面項目の削除など修正や動作確認を行う。
一覧画面IM-BloomMaker操作画面に合わせて、画面項目の修正やデータベースから取得したデータの変換などを行う。

「シンプルなワークフロー」テンプレートを利用したカスタマイズ例

「シンプルなワークフロー」テンプレートを使って、日報アプリケーションを作成する場合を想定してみましょう。日報アプリケーションの仕様に合わせて、以下のように画面→ワークフローの順番で編集することができます。

カスタマイズ対象使用するツールカスタマイズ例
ワークフロー画面  IM-BloomMaker  申請時に承認に関する項目が入力できないように、画面項目を修正する。
提出日や申請者を自動で入力するように、アクション設定を追加する。
ワークフローIM-Workflow 日報の承認者を申請時に選択できるように、ワークフローの一部を修正する。

ここで紹介した方法以外にも、IM-LogicDesignerで処理を修正せずに、IM-BloomMakerで画面の変数やアクションを設定するだけでカスタマイズできる方法もあります。また、一つのテンプレートにとどまらず、別のテンプレートから機能を追加したり、他のテンプレートが持つ機能を参考にして、作成中のアプリケーションに取り入れたりするなど、さまざまな方法があります。

Step. 3 ユーザ権限を設定し、公開する

ます。管理者以外のユーザがアプリケーションを利用できるように、それぞれのアプリケーションを利用する人に対し権限を付与する認可設定を行います。

まとめ

Accel Studioのベーステンプレートを使用すると、汎用的な画面や処理が自動で生成されるため、それらをひな型として利用し、一部を編集するだけで簡単にアプリケーションを作成できます。ベーステンプレートの手順は、サンプルアプリケーションと比較すると少し難易度が上がりましたが、アプリケーションの画面や処理の編集方法について理解できたのではないでしょうか。次は、画面や処理を自動生成せず、ゼロの状態からアプリケーションを作成する方法にも挑戦してみましょう。

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