辞書項目の設定を使い分けるコツ

この記事では、IM-Repositoryの辞書項目について、用途別に使い分けるコツを紹介します。
辞書項目の設定では、用語やその属性情報(メタデータ)を定義します。これらのデータをアプリケーションでどのように利用するかによって、詳細な設定を追加します。IM-Repositoryでデータベースを作成する際は、まず辞書項目がベースとなりますので、正しく設定できるように必要な知識を身につけておきましょう。

辞書項目とは

辞書項目のデータ型はデータベースにおけるカラムに相当するものです。データベースにおけるカラムとは、テーブル内でデータの特定の属性を表す縦の列のことを指します。 各カラムは特定のデータ型を持ち、テーブル内の各レコード(横の行)に一貫したデータを格納します。IM-Repositoryの辞書項目を設定することで、テーブルのカラムを作成・管理できます。

辞書項目の設定では、データ型を適切に定義することが重要です。たとえば、数値データには数値型を、テキストデータには文字列型を指定します。データ型を正しく設定することで、エンティティを設定する際にデータベースのテーブルを作成・管理できるようになります。辞書項目とエンティティの関係についても押さえておきましょう。

用途に合わせた辞書項目の設定

辞書項目の設定は、アプリケーションでデータをどのように利用したいかによって異なります。たとえば、以下のような設定項目と用途が考えられます。

  • 列挙型:辞書項目をあらかじめ特定の値のみに制限したい場合 
  • 制約:辞書項目にルールや条件を適用したい場合 
  • エイリアス:作成済みの辞書項目を別名で利用したい場合 

ここでは、それぞれの設定方法について紹介していきます。

辞書項目を列挙型として利用する

辞書項目の値をあらかじめ特定の値のみに制限したい場合、列挙型を利用できます。列挙型とは、ラベル(表示名)とvalue(データベースに登録される値)を含むデータ型のことです。

たとえばプルダウンメニューのように、選択肢があるUIを作成する場合に列挙型を使用します。辞書項目に列挙型を紐づけることで、列挙型で定義した値が定数として定義されます。 その項目を利用すると、プルダウンメニューの選択肢としてそのまま利用できます。

列挙型の設定は、まず列挙情報を登録してから、次に辞書項目で列挙型を指定するという手順が必要となります。辞書項目で列挙型を指定すると、制約は列挙型に定義している値に上書きされます。

辞書項目に制約を設定する

辞書項目の値に以下のような制限を適用したい場合、制約を設定します。制約を用いることで、データの整合性・正確性・一貫性などが確保されます。

  • 入力する値を制限したい場合(桁数・バイト数・数値・アルファベットなど)
  • 特定のルールを強制したい場合(メールアドレス・URLなど)
  • 特定の条件を適用したい場合(日付時刻・ID・ユーザコードなど)

たとえば電話番号の最大桁数を10に制限することで、10文字以上の入力は登録できないといった入力内容のチェック(バリデーション)を簡単に設定できます。

制約の設定では、標準で用意している設定項目以外 にも、正規表現を使って自由に定義することが可能です。

辞書項目を使ってエイリアスを作成する

作成済みの辞書項目を利用して別の名前で使用したい場合、エイリアスを作成します。エイリアスとは、もとの辞書項目を参照しながら、別名を付与することを指します。

たとえば「ID」という辞書項目を使いたいが、特定のアプリケーションで使用する際に名称を変更したい場合、エイリアスとして別名を付与することで、元の辞書項目と同じデータ型や制約などを反映させることができます。

エイリアスを作成すると、参照先の辞書項目の設定画面に「エイリアス一覧」として表示されます。

まとめ

IM-Repository におけるアプリケーションのデータベース作成では、辞書項目の利用目的に応じて設定が異なります。一見難しそうに思える設定でも、IM-Repositoryを使用すれば、画面の項目に従って進めることができるため、初心者でも取り組みやすいという利点があります。効率的に開発を進めるためにも、IM-Repositoryの辞書項目について理解を深めておきましょう。

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