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マスタデータの検討

intra-martでは、マスタデータを統合的に管理することで、システム全体を一貫して構築できる環境を整備できます。ここでは、システム運用に必要なマスタデータの概要について説明します。

intra-martにおけるマスタデータ

intra-martにおけるマスタデータとは、システム運用に必要な基礎情報を指し、さまざまなアプリケーションや業務処理で参照・利用されます。会社・組織、取引先、ユーザなどのマスタデータを統合的に管理することで、メンテナンスにかかる負担を軽減し、システム全体を一貫して構築できる環境を整備します。

IM-共通マスタ

IM-共通マスタとは、intra-martにおいてシステム全体で共通して利用されるマスタデータの総称です。会社・組織、ユーザ、取引先などの基本情報を管理し、各種設定や業務処理の基盤として利用されます。

各業務領域で利用される主なマスタデータは、以下のとおりです。

  • 会社に関する情報:「会社」「会社グループ」「組織」マスタ
  • ユーザに関する情報:「ユーザ」「パブリックグループ」「分類」マスタ
  • 取引先に関する情報:「法人」「取引先」「法人グループ」マスタ
  • 品目に関する情報:「品目カテゴリ」「品目」マスタ
  • 通貨に関する情報:「通貨」マスタ

初期導入やデータインポート時には、「会社」や「ユーザ」といったマスタデータを登録するだけで、基本的な運用を開始できます。これらは、システムの利用や組織に紐づく機能・権限管理の基盤となるため、必須のマスタデータです。開発フェーズでは、これらのマスタデータをもとに各種設定や権限管理が行われます。あらかじめ内容を確認するとともに、利用人数や想定される同時接続数についても把握しておきましょう。

その他のマスタは、各業務アプリケーションの要件に応じて任意に利用します。テーブルの追加やリポジトリの活用により作成できます。たとえば、販売管理システムでは「取引先」「品目カテゴリ」「通貨」などのマスタを参照し、顧客・商品・取引データの一元管理や、メンテナンス工数の削減を実現します。また、グループ会計システムでは、「法人」単位で自社やグループ会社を管理し、各法人の取引先情報などを活用します。

intra-martでは、「会社」「組織」「ユーザ」といった基本的なマスタデータに加え、権限を管理する単位である「ロール」も利用されます。ここでは、基本的なマスタデータを中心に説明します。

「会社」マスタ/「組織」マスタ

会社に関する情報は「会社」マスタで管理し、会社に属する事業部や部・課・係などの組織に関する情報は「組織」マスタで管理します。

「会社」や「組織」マスタは、製品共通機能としてintra-mart Accel Platformの動作や認証に必要なマスタです。システム内における「会社」の単位を定義し、ユーザや組織、関連データの所属先となる「組織」を特定します。これらのマスタは、他のマスタの基準となるため、初期導入時には必ず設定します。

新しく「会社」や「組織」マスタを作成した直後は、それらのデータに対する参照権限および実行権限が付与されていません。そのため、組織名で検索すると該当の会社名が表示されないなど、関連情報を参照できない状態となります。必要に応じて、テナント管理者権限により「認可設定」画面から参照権限を付与します。

「ユーザ」マスタ

intra-martを利用する社員などの情報は「ユーザ」マスタで管理します。ユーザ名やユーザID、所属組織や役職など、システム運用に必要となる項目をあらかじめ整理します。必要に応じてXML形式でのインポートも可能で、必須項目のみで動作開始できます。

参考

ユーザの昇進や退職、所属組織の変更などの人事異動や、組織の新設や改編を行う際は、「期間化」機能を利用します。詳細は、下記「「期間化」機能」を参照してください。

コラム

「ロール」は、権限を管理する単位です。intra-martでは、各種機能やアプリケーションをどのユーザに利用させるかを設定することを「権限の付与」や「認可設定」といいます。権限や認可はユーザや組織に直接設定することも可能ですが、組織変更や人事異動時のメンテナンスを考慮すると、ロールにまとめて設定することで効率的に管理することができます。ロールと認可の関係や認可設定の仕組みについては、「セキュリティ対策と権限管理 > intra-martの権限管理」を参照してください。

マスタデータ設計の検討

基本的なマスタデータを理解した上で、対象となる会社・組織・ユーザの情報を整理します。

組織構造の設計(組織図の作成)

会社や組織の構成、ユーザの所属関係など、システムに登録するマスタデータを整理するために、IM-共通マスタに沿った構成で組織図を作成します。組織図を作成することで構成の理解が深まり、マスタデータをスムーズに設計・登録できるようになります。

「組織」マスタは階層構造を持つため、1つの会社に複数の組織を登録することが可能です。また、「組織セット」単位で役職を登録することもできます。組織の階層を構築する場合は、まず最上位となる会社(=初期状態の「組織セット」)を作成し、その後、配下の組織を順に追加します。最後に、各組織に所属するユーザを登録します。

実際に「会社」「組織」「ユーザ」の各マスタの登録は、「3. 初期データの構築 - マスタデータの登録」で行います。ここでは、作成した組織図と照らし合わせながら、必要なマスタ構成や権限の種類について検討しておきましょう。

マスタデータ運用時の機能

IM-共通マスタには、登録したマスタデータを効率的に管理・運用するための機能が用意されています。ここでは、マスタデータの変更履歴や利用環境に応じた情報管理を行うために、「期間化」および「国際化」の機能について説明します。

「期間化」機能

期間化とは、情報に有効期間を設定し、指定した期日で任意の情報に切り替える機能です。マスタデータ(ユーザ、組織、役職など)を「ある期間に有効な情報」として管理し、開始日と終了日を持つレコードを複数保持することで、過去の状態も参照できるようになります。

また、データの削除方法にも違いがあります。通常の物理削除では、データそのものを削除するため履歴は残りません。一方、期間化では終了日を設定することで「無効化(論理削除)」として扱います。これにより、データの履歴を保持したまま運用することが可能です。

業務での活用例

期間化は、人事異動や組織変更の履歴管理や、有効日(施行日)に基づいた運用を行いたい場合に有効です。

  • 部署Xから部署Yへ異動した場合でも、過去の所属情報を参照できるようにする
  • ある時点で施行された組織改編の前後で、帳票の内容を比較・再現する
  • プロジェクトメンバの参加期間を管理し、当該期間に基づいたアクセス制御や作業履歴の再現に利用する
  • 退職時点を期間終了として管理し、論理削除として扱うことで監査証跡を保持する

たとえば、社員(青柳辰巳)が次のように異動するケースを考えます。

  • 2025/04/01 ~ 2026/03/31:サンプル課11
  • 2026/04/01 ~ :サンプル課21

所属情報を期間(開始日・終了日)で管理することで、特定時点における所属部署を確認できます。

  • 2025/10/01時点の所属 → サンプル課11
  • 2026/05/01時点の所属 → サンプル課21
参考

IM-共通マスタは、標準版とBloomMaker版の2種類が用意されています。期間化の機能に違いはありませんが、操作画面のデザインが異なります。なお、上記の画面は標準版のものです。操作画面の詳細については、下記のガイドを参照してください。

期間化の具体的な操作については、「6. 運用時の主な対応 - マスタデータの更新」で説明します。ここでは、IM-共通マスタの機能の1つとして、期間化の概要を把握しておきましょう。

「国際化」機能

国際化とは、マスタデータの名称や説明を言語(ロケール)ごとに管理する機能です。マスタに対して複数言語の情報を設定することで、利用環境に応じた表示が可能になります。なお、製品標準で利用できる言語(ロケール)は、日本語(ja)・英語(en)・簡体字中国語(zh_CN)の3種類です。

業務での活用例

国際化は、複数言語を使用する環境において、マスタデータを言語(ロケール)ごとに管理し、ユーザのロケールに応じて表示を切り替える場合に有効です。

  • 海外拠点を含むシステムで、同一マスタを各拠点の言語で表示する
  • ユーザのロケールに応じて、画面上の名称や説明を自動的に切り替える
  • 同一の取引先や品目に対して、各言語で異なる名称を管理する
  • 帳票や画面出力において、出力先や利用者に応じた言語で情報を表示する
  • グローバル共通のコード体系を維持しつつ、表示名称のみ各国向けにローカライズする
参考

IM-共通マスタは、標準版とBloomMaker版の2種類が用意されています。国際化の機能に違いはありませんが、操作画面のデザインが異なります。なお、上記の画面は標準版のものです。操作画面の詳細については、下記のガイドを参照してください。