マスタデータの検討
ここでは、基本となるマスタ情報(マスタデータ)の説明をします。intra-martにおける「マスタデータ」とは システム運用に必要な基礎データ を指し、さまざまなアプリケーションや業務処理で参照・利用されます。
会社・組織、取引先、ユーザ、その他のマスタを統合化することで、マスタメンテナンスにかかる負担を軽減するとともに、intra-martシステム全体を統合的に構築できる環境を整備します。

これらは、開発フェーズで「IM-共通マスタ」として扱う重要なデータとなりますので、しっかりと確認しておくことが大切です。
また、利用人数や予想される同時接続数なども把握しておきましょう。
初期マスタ情報設定
各業務領域でよく利用される以下のような情報は、「IM-共通マスタ」 のマスタ情報として管理します。
- 会社、組織情報
- 取引先情報
- 品目情報
- ユーザ、ユーザグループ情報
- 通貨、通貨レート
作業前の準備として、 まずは登録対象の会社、組織、ユーザの情報を整理しましょう。
また、ユーザに付与する権限の種類や方法をこの段階で明確にしておくと、後の作業をスムーズに進めることができます。
組織図を作成する
会社組織の構成やユーザ情報などの「システムに登録する情報」を整理する手段のひとつとして、組織図を作成するという方法があります。
図にする事で理解が深まり、マスタデータ構築作業に役立ちます。
intra-martのマスタ情報とは
「intra-martのマスタ情報」とは、企業・取引先・品目など、業務を支える基幹データ であり、会社運用や各種業務アプリの基盤として活用されます。
会社・組織、取引先、ユーザ、その他のマスタを統合化することで、ユーザのマスタメンテナンスにかかる負担を軽減するとともに、システム全体を統合的に構築できる環境を整備します。
用途やシステム設計に応じて、必要なマスタのみを導入・設定し運用を開始することが可能です。
「会社/組織」「ユーザ」「ロール」 の3つが、intra-martにおいてよく使用されるマスタとなります。このガイドでは、これら3つをメインとして紹介します。
この3つに当てはまらないものは、テーブルの追加やリポジトリの活用で作成可能です。
会社/組織
intra-martを利用する会社の情報が 「会社/組織」 です。会社に属する事業部や、部・課・係など、組織に関する情報を管理します。
会社/組織マスタは、製品共通機能としてintra-martプラットフォーム自体の動作や認証に必要な必須マスタです。システム内での「会社」の単位を定義し、ユーザや組織、関連データの所属先を特定します。
このマスタがこれから作成するさまざまなマスタの起点となるため、初期導入時には必ず設定が必要となります。
新しく会社/組織を作成した直後は、そのデータに対する参照権限および実行権限が付与されていません。そのため、組織検索で該当会社が表示されないなど、関連情報を参照できない状態となります。必要に応じて、「認可設定」から参照権限を付与してください。
また、組織は階層構造を形成でき、1つの会社に複数の組織を登録することが可能です。
さらに、組織セット単位で役職を登録することもできます。
組織の階層を構築する場合は、まず最上位となる会社(=初期状態の組織セット)を作成し、その後、配下の組織を順次追加してください。
「3.初期データの構築 > マスタデータの作成 > 会社/組織の登録」に、会社/組織の図を掲載していますので、参考にしてください。
ユーザ
intra-martを利用する社員などの情報が 「ユーザ」 です。「ユーザ名」や「ユーザID」、「役職」など、システムを運用する上で必要になるデータを決めておきましょう。
ユーザマスタは、システム利用者(ユーザ)・所属組織・役職など、社内の人員管理に使用します。必要に応じてXML形式でのインポートも可能で、必須項目のみで動作開始できます。
「会社/組織」や「ユーザ」のデータは、期間化 に対応しています。「期間化」とは、情報に有効期間を設定し、指定した期日で任意の情報に切り替える機能です。たとえば、ユーザの昇進や退職などの人事異動、会社内の組織の新設や改編などがある場合に役立ちます。
詳細は、「期間化とは」を参照してください。
ロール
「ロール(役割)」 は、権限を管理する単位として設定するデータです。
intra-martでは、各種機能やアプリケーションをどのユーザに利用させるかを設定することを「権限を付与する」「認可を設定する」といいます。
権限や認可は、対象となるユーザ自身や組織に直接設定することもできますが、組織変更や人事異動時のメンテナンスを考慮すると、「ロール」に認可を設定した方が便利で効率的です。
このガイドでは、権限・認可を「ロール」の仕組みを利用して設定します。
利用イメージ
intra-mart標準機能では、実際に利用する「ユーザマスタ」と、組織に紐づく機能や権限が多いため「会社マスタ」の登録が最小要件です。ほかのマスタ(法人、取引先、品目など)は、各業務アプリケーションの要件に合わせて任意に利用します。
たとえば販売管理システムでは、「取引先マスタ」「品目カテゴリマスタ」「通貨マスタ」などを参照し、顧客・商品・取引データの一元管理や、メンテナンス工数の削減を実現します。
グループ会計システムの場合は、「法人」単位で自社/グループ会社を管理し、各法人の取引先情報も活用されます。
初期導入やデータインポート時には、「会社マスタ」「ユーザマスタ」があれば最低限の運用が可能です。
期間化と国際化
実際にシステムを運用する際に便利な、「期間化」と「国際化」について説明します。
期間化とは
期間化とは、マスタデータ(ユーザ、組織、役職など)を「ある期間に有効だった情報」として保持する仕組み です。単に最新行だけを残すのではなく、開始日・終了日を持つ期間レコードを複数残すことで、過去の状態を参照できるようにします。
また、削除は物理削除ではなく「論理削除(ある日付以降は無効)」として表現されるのが基本です。期間化は「開始日/終了日」で履歴を残す仕組みなので、削除する場合は終了日を設定することで「無効化」します。
たとえば、人事異動や組織変更の履歴を保持したいときや、有効日(施行日)を基準にした運用があるときなどに有効です。
業務での活用例
- 社員Aが2019/04/01に部署Xへ異動、2020/10/01に部署Yへ異動 → 過去の所属を参照するため期間化する
- 2018/07/01に施行された組織改編前後の帳票を比較・再現する必要がある場合
- プロジェクトメンバの参加期間(2021/01/01〜2021/06/30)を管理して、当該期間のアクセス制御や作業履歴の再現に用いる
- 退職時点を論理削除(期間終了)として残し、監査証跡を保持する

設定方法
サイトマップ → 共通マスタから設定したいデータを開き、対象データの「詳細画面」を表示し、「期間修正」「分割」「無効化」ボタンから編集を行います。
具体的な画面ラベルやボタン位置は、データの種類およびバージョンやカスタマイズによって若干異なります。
「6.運用中のやること > マスタ変更を行う > 人事異動の際にユーザのデータを変更する」で、実際の作業手順を説明しています。
期間化についての詳細は、下記のページを参照してください。
「IM-共通マスタ(BloomMaker版)管理者操作ガイド - 共通設定 - 期間化について」
「IM-共通マスタ 管理者操作ガイド - はじめに - 期間化について」
国際化とは
IM-共通マスタの国際化は 「マスタ(会社・組織・ロール・ユーザプロファイル など)の名称や説明を言語(ロケール)ごとに持つ」 仕組みです。IM-共通マスタでは、複数言語の情報を入力できます。
製品標準で利用できる言語(ロケール)は、日本語、英語、中国語(簡体字) の3種類です。(ja, en, zh_CN)
業務での活用例
- 企業内で複数言語を使う環境において、同じマスタの名称や説明を各言語(ロケール)で保持し、ユーザのロケールに応じた表示・処理を行えるようにするために利用します。
設定方法
各マスタの「他ロケール設定」をクリックすると各言語の情報を入力できます。
少数件なら管理画面で手作業入力を行いますが、大量件数の場合は、エクスポート → 翻訳(または既存言語のコピー)→ インポートで一括投入 という手順が便利です。
| 設定方法 | 手順 |
|---|---|
| 手動でのUI編集(少数件の修正) |
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| エクスポート / 翻訳 / インポートでの一括投入 |
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具体的な画面ラベルやボタン位置は、データの種類およびバージョンやカスタマイズによって若干異なります。
詳細は下記のページを参照してください。
「IM-共通マスタ(BloomMaker版)管理者操作ガイド - 共通設定 - 国際化について」
「IM-共通マスタ 管理者操作ガイド - はじめに - 国際化について」
- データをインポートする前に、必ず小規模なサンプルで動作確認を行ってください。問題がないことを確認してから、インポートを実施してください。
- データをインポートする際は、正しい開始日/終了日を指定していることを注意してから実施してください。期間化の指定に不備があると、履歴が分割され、大量の期間レコードが作成されるリスクがあります。
登録する情報が整理できたら、次は「2. intra-martの初期設定」で各種マスタの登録やポータルの設定などについて確認していきます。